エックスサーバーやWPX、ロリポップなどの一般的なレンタルサーバーは共用サーバーと呼ばれ、複数のユーザーとシェアして使うサーバーを指します。
一方でVPSやクラウドサーバーなどは専用サーバーと呼ばれ、文字通り自分専用のサーバーのことを言います。
ではその違いはなんなのでしょうか?
図解付きでなるべく分かりやすく解説していきます。
共用サーバーってなんなの?
まずは最も身近なレンタルサーバーとも言える共用サーバーから説明していきます。
共用サーバーとは、WEBサーバー機能やPHP・WordPressなど、あらゆるものが既にインストールされている状態のレンタルサーバーで、1つのサーバーを複数人で利用するサーバーを指します。
一般的なレンタルサーバーはほとんどがこのタイプのサーバーと言っても間違いありません。
有名どころで言えば『エックスサーバー』を始め『ロリポップ』や『mixhost』なども共用サーバーに該当します。
運用コストも比較的安い場合が多く、契約さえしてしまえばスグにWEBサイトの運用をスタートできるのが最大のメリットと言えます。
例えるなら、共用サーバーは予め設備の整った集合住宅のようなものと言えるでしょう。
また、それぞれの部屋がレンタルサーバーを利用している人のサイトに当たると考えればよりイメージしやすいかも知れません。
レンタルサーバー業者=集合住宅オーナー、と言ったところでしょうか。
各レンタルサーバー業者が各部屋をWEBサイトのスペースとして貸し出しているイメージです。
このように、共用サーバーは複数人で仲良く1つの建物(サーバー)を使うことになります。
サーバーの内部をカスタマイズをするには建物レベルの改修工事が必要です。
そのため、共用サーバーは細かいカスタマイズができないようになっているのです。
- 比較的運用コストが安い場合が多い
- 事前知識がほぼ不要で誰でも簡単にスグ使える
共用サーバーのデメリット
1つは前述したように、『自分の好きなようにサーバーをカスタマイズできない』ということが挙げられます。
それ以外に気になるデメリットは、サーバーが重くなることがしばしばあるということです。
共用サーバーは複数人で1つのサーバーを使っているため、例えば誰かのサイトがバズるなどして大量のアクセスが起きた場合に、同じサーバーに居る他のサイトも影響を大きく受けてしまいます。
何故こんな事が起きるのかと言うと、共用サーバーでは全員が同じIPアドレスを使用していることが原因です。
共用サーバーでは1つのIPアドレスに複数のサイトが内包されています。
サーバーはアクセスしてきた訪問者に対して、『どのドメインのWEBサイトを見に来たか』を確認して適切な情報を返す処理を行います。
しかし、バズなどの大量アクセスが起きた場合などにこの処理がパンクする場合があります。
そのため共用サーバーではゴールデンタイムなどにサイトの表示が重くなったり、最悪の場合はサーバーが落ちてしまったり…ということが起きるのです。
例えるなら、マンションのある1室に来客が殺到すると他の部屋への訪問者にも遅延が発生するイメージです。
- 1つのサーバー機能を複数人でシェアするため自分だけKUSANAGIを入れたりすることができない
- サーバーへの収容人数が多いほどパフォーマンス(特に速度)が落ちる
- 全員に同じIPアドレスが割り当てられる(1つの住所を皆でシェア)
- 誰かしらのサイトに大量のアクセスが来ると、同じサーバー内のサイトにも大きな影響が出る
特にゴールデンタイムなどはパフォーマンスが低下しやすい
KUSANAGIが使える共用サーバーも存在します。KAGOYAのレンタルサーバーがそれです。
手動でインストールする手間も省けて、誰でも簡単にスグ使えるのが魅力です。
しかし、VPSに手動で入れるKUSANAGIと比較すると、運用コストは割高ですし使用メモリも変動制でスペックは見劣ります。
また、1ドメインしか使えないという制限もあるので複数サイト運営者はコストがかさみます。
VPSであれば1つのサーバーで複数ドメイン使えるのも大きな違いです。
共用サーバーが向いてる人
- 現時点でWordPressの高速化に必要性を感じていない人
- 画像や広告などの少ない軽いサイトを運営している人
- とにかく安く運用したい人
(専用サーバー)VPSって何?
こんなのは覚えなくてもいいですが、VPSは Virtual Private Server の略です。
文字通り仮想的なプライベートサーバー(専用サーバー)ですよ、ということですね。
共用サーバーが “設備工事済み” の集合住宅的なレンタルサーバーだとすると、VPSは『土地のみ与えられたレンタルサーバー』と言えるでしょう。
というのもVPSはレンタルした時点では空っぽのサーバーなのです。
インターネット上に、ただ自分のスペースが存在するだけで初期段階では何の機能も持っていません。
WEBサイトを公開するためには “建物” にあたる、WEBサーバー機能やWordPressなどを手動操作でインストールしていく必要があります。
複数人で1つのサーバーを使う共用サーバーとは違い、自分専用のレンタルサーバーがVPSです。
VPSは1つのサーバーに対し、利用者は自分1人しか存在しません。
そのため好きなようにカスタマイズしたり、好きな機能を拡張することができます。
また、自分のWEBサイトしかサーバーに負荷を与えないため、共用サーバーのように他ユーザーのWEBサイトの影響を受けません。
ゴールデンタイムや、誰かのサイトがバズって大量アクセスが起きてる場合でも、安定したWEBサイトの運用ができます。
サーバーのリソースはすべて自分だけのものになるので常に快適な速度を維持できます。
- 他の利用者が居ない自分専用のサーバーを持てる
- 自分だけの固有IPアドレスが付与される
- 常に安定した速度を維持できる
- 共用サーバーのように他サイトの影響を受けない
- サーバーに好きな機能を持たせることができる
- 最速のWordPress『KUSANAGI』も実装できる
VPSのデメリット
使いこなせればメリットだらけのVPSですが、デメリットもあります。
幾つか並べるとこのようになります。
- 共用サーバーと比べて運用コストが少し高い
- WordPressの導入やサイト運営までの敷居が高い
- KUSANAGI導入時にコマンド操作が必須なので苦手意識を持ちがち
専用のサーバーになるため運用コストはそれなりです。
このサイトに使っているConoHaのVPSは月額1,700円かかっています。
それに見合うだけのパフォーマンスは発揮しているとは思いますが、エックスサーバーなどと比べると少し割高ですよね。
しかし、1つのVPSで複数のドメイン(サブドメイン)を使うことが出来るので、サイトを複数入れるとなればコスパも良いと考えられるでしょう。
VPSが向いてる人
- WordPressを高速化させて読み込み時間のストレスを改善したい人
- 訪問者1人あたりのPV数を伸ばしたい人
- 画像や広告の多い収益化を意識したサイトを運営してる人
- PageSpeed InsightやTest My Siteでハイスコアを出したい人
- トラブルに自ら対応できるITスキルがそこそこある人